【プロメテウス】2012年公開アメリカ映画。コアなファンが数多くいるエイリアンシリーズの起源に迫る作品。
人類の起源とは?エイリアンの起源とは?エンジニアと呼ばれる創造主に会いに宇宙を旅する科学者たち。導きにしたがってたどり着いたある惑星で彼らを待ち受けていたものとは?すべての真実がそこにある。
目次
映画情報
名匠リドリースコット監督による圧巻の世界観で放つSF巨編。決して触れてはならなかった人類の起源の謎。その真実に迫る時、人類滅亡のカウントダウンが始まり、ついにあの謎が解き明かされる。続編はエイリアン:コヴェナント2017年公開。
原題:Prometheus
上映時間:124分
監督:リドリー・スコット
出演者:ノオミ・ラパス(エリザベス・ショウ)、シャーリーズ・セロン(メレディス・ヴィッカーズ)、マイケル・ファスベンダー(デイビッド)ほか
あらすじ1/9「生命の始まり」
壮大な自然が広がる太古の地球。上空に円盤型の宇宙船が飛来しました。
降り立ったのは体毛のない白い巨人でした。
白い巨人は川辺にひざまづくと奇妙な箱を開け、中に入っていた黒い液体を飲みます。
すると白い巨人の体は黒ずんでいき、細胞が崩壊していきました。白い巨人は海に落ち、そのDNAのスープは海に溶け込んでいきました。
あらすじ2/9「いざエンジニアに会いに!」
西暦2089年。スコットランドの山の中で遺跡が発見されます。
考古学者の女性エリザベス・ショウは恋人であり同僚でもあるチャーリー・ホロウェイと遺跡の解析をしていました。解析の結果、それは3万5000年以上前の遺跡であることが判明したのでした。
これまでに見つかった遺跡や今回の壁画には共通点があり、二足歩行の人らしきものが、ひとつの星座、ひとつの座標を指していました。
ショウは言います。「これはエンジニアからの招待状だ。」
エンジニアとは、人類を創ったいわば神のようなものを指しており、人類の起源の謎に迫る大発見であると二人は胸おどらせるのでした。
宇宙船の中、クルーは何とか目覚め・・・
2093年12月21日。宇宙船プロメテウス号の中、人型アンドロイドのデヴィッドはテレビやバスケで暇を持て余していました。
プロメテウス号が目的地である惑星LV-223周辺に近づくと、デヴィッドは乗組員のコールドスリープを解除していきます。
デヴィッドが戻ると、ひとりの女性クルーが目を覚まして腕立てふせを始めていました。
女性クルーは言いました。
「ほかのクルーを起こしてきて。」
冷徹なその女性クルーは、プロメテウス号の総責任者メレディス・ヴィッカーズ。
デヴィッドはヴィッカーズの指示に従い、みんなを起こします。
クルーが集まると今回のスポンサーであるウェイランド社のトップ、ピーター・ウェイランド(老人)の映像が流れました。
「今回のプロジェクトが順調に進み、クルーがこの映像を見る頃には、私はすでに死んでいるかもしれない。成功を祈る。」
そこでクルーの任務が明かされます。
各地で見つかった場所も年代も違う遺跡が、ひとつの座標を指していました。
我々をそれをもとに宇宙にでました。人類の起源に迫る謎を解いてほしい。
ひとりが言います。「それだけを頼りにここまで来たのか?」
「違うわ、これはれっきとした招待状よ。」ショウは答えた。
「誰の?」
「・・・エンジニアよ。」
「なんの?」
「我々の。」
あらすじ3/9「惑星LV-223到着」
ショウたちは惑星に降り立ち、目の前に広がる岩山の調査に乗り出します。
探査用の装甲車両から降りるクルーたち。深淵がひそむ岩山の洞窟にはいっていきます。
クルーのひとりが「面白いものがあればこいつが教えてくれる。」と言っって赤く光る球体を飛ばしました。
赤く光る球体は光を放ち、洞窟内部を解析していく。それを追いかけるクルー。
たどり着いたそこには、太陽の光によって水を蒸発させて酸素を生み出す装置がありました。
大気を測定すると、限りなく清浄であることが判明しました。つまり息ができるということです。
ヘルメットを脱ぐショウたち。
一方デヴィッドは単体で別行動をとっていました。途中、緑の液体を発見したデヴィッドはおもむろに壁をいじりだします。すると洞窟に緑の光が放出され、ホログラムがうつりだされました。
そこには宇宙服を着た人たちが何かから逃げる姿が立体映像で映し出されていました。
デヴィッドはみんなと合流し、ホログラムに対して「これはエンジニア(白い巨人)の映像です。」と言いました。ホログラムを追いかけるクルーたち。
そこにあったのはエンジニアの遺体・・・
映像が途切れた先にあったのは首がちぎれたエンジニアの遺体でした。
その遺体は干からびており、時間がかなり経っている様子。
「・・・たぶん事故よ。」
どうやら上からおりてきた扉にはさまり、首を切断されたようです。
この星に知的生命体がたしかに存在していたという事実に意気揚々とするクルーたち。
ところがクルーのひとりである地質学者のファイフィールドは、「俺の専門は石だ。俺は降りる。」と言いました。
もめるクルーたち。結局、地質学者のファイフィールドと生物学者のミルバーンの2人は調査チームから外れ、先にプロメテウス号に引き返すことになりました。
解析の結果、遺体は死後2000年ほど経過していたものであることがわかりました。
扉の先にあるもの
一行は先にある扉を開けようとします。
デヴィッドが扉を開けると、扉の先には巨大な頭部だけの彫刻がありました。
「人間にそっくりだ。」
辺りを見渡すと、先ほどのエンジニアと思われる遺体の頭部が発見されました。
「保存状態がいいわね。持ち帰りましょう。」
周囲には壁画と円筒型の壺のようなものがいくつもあります。
台座には緑の宝石がきらめいており、円筒型の壺のてっぺんには黒い液体のようなものがうねうねと動いていました。
デヴィッドは興味津々にそれを触ろうとするが、ショウが制止します。
壁画が変化していきます。
「わたしたちが入った影響よ。戻りましょう。」
一行が扉を開け、部屋に入った影響で周囲の壁画が変化していると判断したショウは撤退を指示します。
ショウが撤退を指示したのとほぼ同時刻。プロメテウス号のクルーからも撤退を指示する声があったのでした。
二酸化ケイ素が混じった風速55mの嵐がプロメテウス号と洞窟周囲に近づいていたのです。
ショウとヴィッカーズがエンジニアの頭部を回収しているかげで、デヴィッドは円筒型の壺にうごめく黒い液体ををひとつ採取します。
嵐が近づいているようです。宇宙服が焦げるほどの静電気です。
外に出るとクルーたちは急いで、探査用の装甲車両に乗り、船にもどろうとします。
ショウたちがプロメテウス号に戻ると、先に引き返したはずのファイフィールドとミルバーンの2人がいません。
どうやら洞窟内で迷っているようでした。
船長のヤネックは2人と通信し、「今は嵐が強すぎて迎えに行けない。朝まで待機しろ。嵐がおさまったら迎えに行く。」と伝えます。
ショウたちは、その間に回収したエンジニアの頭部を調べることにしました。
プロメテウス号に備わっている設備に頭部を置き、解析を始めます。
「エンジニアは全滅したの?」
「わからない。」
ショウが頭部をみて驚きました。
「・・・これは外骨格じゃないわ。ヘルメットよ。」
あらすじ4/9「エンジニアの頭部を解析!」
デヴィッドがヘルメットを外すと生身の頭部がありました。
※中には冒頭に出ていたのとそっくりな白い巨人の頭部。
「・・・細胞がまだ生きている。ぶつぶつがある。」
「生体刺激を与えて、まだ生きていると錯覚させましょう。」
ショウたちは頭部の神経に直接電流を流して一時的に蘇生させ、対話を試みようとします。
電流を加えると頭が少し動きました。
そして目が開きました。
成功か?と一同が思った次の瞬間。
エンジニアの頭部は突如、苦悶の表情を浮かべ苦しみだします。
頭部がうようよとふくらみ始めました。
ショウが叫ぶ「とめて!」
「だめだ!とまらない!」
電流の調整がうまくいかず、一同は急いで頭部から離れます。
隔離用のガラスが閉まると同時に頭部は破裂しました。
その後DNAを解析すると、エンジニアの検体は人間のDNAと合致していました。
エンジニアが人間の祖先にあたる生命体であることを知ったショウは感動します。
そのころ、デヴィッドはかげで誰かと通信し、回収していた黒い液体を調べていました。
あらすじ5/9「デヴィッドのたくらみ」
「エンジニアに生きて会うことができなかった。」
落胆するホロウェイ。
デヴィッドはコップにお酒らしきものをつぎ、ホロウェイをなぐさめます。
「今回のプロジェクトで博士はどこまで覚悟しておられるのですか?」デヴィッドが質問します。
「成功のためならなんだってするさ。」ホロウェイは答えました。
デヴィッドはホロウェイにコップを差し出し乾杯します。
飲み干すホロウェイ。
そのコップにはデヴィッドの手によって先ほどの黒い液体が混入されていました・・・。
洞窟での探査
洞窟では探査がおこなわれていました。
迷った2人は朝まで待機する間、周辺の安全確認と地質の調査をすることにしました。
無数の遺体がありました。
なにかから逃げていたのでしょうか。
「体内から破裂しているぞ。大量虐殺されたみたいだ。」
「こいつらを殺したやつはもういないよな・・・。」
船から通信が入りました。
「近くに生体反応があるぞ。きをつけろ。」
センサーから生体反応の動きが消えました。
何かから逃げる2人。
一方プロメテウス号では、ホロウェイがショウの部屋へ向かっていました。
ホロウェイはショウに会うと、隠していたバラを渡します。
ショウは、エンジニアと人間のDNAが完全に一致したと知らせました。
自分たちの仮説が正しかったと喜ぶショウとホロウェイ。
ホロウェイとショウはキスをしました。
「彼らは人の祖先よ。」
「じゃあ十字架のネックレスをはずせよ。」笑うホロウェイ。
ムードが高まりベッドインしようとする2人。
「でも私は子供を産めないのよ。」
「エリザベス。・・エリーそういうつもりで言ったんじゃないよ。」
愛し合う2人。
一方、洞窟内。逃げる2人はショウたちが調査していた部屋にたどりつきました。ショウたちがいた時とは違い、床には黒い水が溜まっています。
黒い水の中から乳白色の巨大なミミズのようなものが2匹現れました。
ミルバーンはその形状から害はないだろうと近づいていきます。
プロメテウス号と通信を取ろうとするファイフィールド。しかし嵐のせいか通信ができません。
巨大ミミズに手を差しのべ触れようとするミルバーン。
突如ミミズの頭部はバリっと左右に割れ、ミルバーンの差しのべた手に喰らいつきました。
それを見たファイフィールドは急いで巨大ミミズの胴体を切断します。
しかし切断された胴体から強酸性の血液が噴き出し、ファイフィールドのヘルメットにかかってしまいました。
ヘルメットは溶けだし、倒れたファイフィールドの顔面に張りついていきます。
ミルバーンは宇宙服のなかに入り込んだ巨大ミミズをおさえようとするが、口の中に入りこまれ死亡しました。
あらすじ6/9「プロメテウス号、翌朝・・・」
ホロウェイは体調を崩していました。顔を洗い、鏡を見ると目に違和感があります。
外の嵐はおさまった様子でした。探査用の装甲車両で通信が途絶えている洞窟内の2人を迎えに行くクルーたち。
デヴィッドはセンサーを修理するので車に残ると言いました。
「どうぞ気を付けて。」ホロウェイをみてデヴィッドは言いました。
デヴィッドはショウたちが出発すると単独で行動して別の遺跡を発見しました。デヴィッドはヴィッカーズとの通信をわざと切り、内部を調査していきます。
ホロウェイはどんどん体調を崩しているようでした。
ショウたちが昨日調査した部屋にはいると円筒型のつぼにあった黒い液体は消えていました。
その付近でミルバーンの遺体を発見しました。
ミルバーンの口から細長い何かが飛びだします。驚くクルーたち。
ショウがホロウェイの異常に気付きました。具合がかなり悪そうです。顔が黒ずんていて様子がおかしい。
ショウたちはいったんプロメテウスに戻るため、撤退しました。
デヴィッドの発見
一方デヴィッドは遺跡の調査を進め、そこが遺跡ではなくエンジニアの宇宙船であることが判明します。スイッチを押して椅子に座るデヴィッド。
ホログラムが作動し、白い巨人(エンジニア)たちが宇宙船を操縦する映像がうつされます。エンジニアが操縦する動きを観察するデヴィッド。エンジニアは笛のような楽器を吹いています。どうやら何かの操作をしているようです。
デヴィッドは学習した操作をまねて機械を動かしてみます。
すると別のホログラムによって天体があらわれました。
感動するデヴィッド。その天体には宇宙空間が立体で映し出されており、その中にはマーキングされた惑星がありました。デヴィッドがその星に手をかざし手元に持ってくると、それは地球でした。
ホログラムが消え、あたりをみるとコールドスリープ装置がありました。近づいてみると中には冷凍睡眠状態のエンジニアの姿がありました。
耳を近づけ鼓動を聞くとデヴィッドは微笑みました。
ホロウェイの異変
ショウたちはプロメテウス号に戻ると、急いでホロウェイを中に入れ、治療しようとします。
ホロウェイの顔はどんどん黒ずみ、変化していきます。
しかしプロメテウス号にはいろうとすると、ヴィッカーズによって阻まれました。
「彼は乗せられない。」
火炎放射器で脅すヴィッカーズ。
感染を恐れたヴィッカーズは、ホロウェイを焼却しようとします。
とめるショウ。
しかしホロウェイは死期を悟り、「いいんだ。愛しているよエリー。」と告げてヴィッカーズに近づいていきました。そして生きたまま焼かれてしまうのでした。
その光景を目の当たりにしたショウはその場で意識を失い気絶しました。
まさかショウにも異変が・・・
ショウが目を覚ますとデヴィッドがいました。デヴィッドはショウの胸にあった十字架のネックレスを取ると、
「感染の危険性があるのではずします。」と言いました。
恋人を失い、もうろうとするショウにデヴィッドが訪ねる。
「博士と性交渉しましたか?」
「・・・したわ。」
「あなたは妊娠しています。3カ月です。」
「そんな・・・。だって私は。それに性交渉だって10時間前よ!妊娠3か月なんてありえないわ。」
「正常な胎児・・・人間の子供ではありません。」
何かを察知したショウはデヴィッドに言います。
「とりだして!」
「できません。できる人間がいません。低温カプセルで眠りにつくしかありません。」
デヴィッドは注射麻酔を打とうとします。
ショウは暴れて逃げだしました。
すぐに自動医療用の手術ポッドに入り、堕胎するようにポッドに指示します。しかし医療用ポッドは男性用につくられたものであり堕胎プログラムは搭載されていないと言いました。
ショウは、すぐさま堕胎ではなく腹部の異物を摘出するプログラムを指示します。ポッドが作動して手術のための準備にかかりました。
その間にもショウの腹は大きくなっていき、うごめく何かが腹を突き破ろうとしています。
「早く!早くして!」
ポッドの準備が終わり、手術プログラムが開始されました。レーザーによって腹部にメスが入りました。
そしてショウの腹から取り出されたのは、乳白色の小さなイカに似た4本足のエイリアンでした。びちびちとうごめくイカエイリアンを医療ポッドに閉じ込め、間一髪逃れることに成功。部屋ごとイカエイリアンを隔離したショウは満身創痍ながらその場をあとにしました。
ファイフィールドの帰還
プロメテウス号の外に異変が感知されました。
確認しに行くと行方不明だったファイフィールドが帰ってきていたようです。しかし様子がおかしい。
ファイフィールドは人間離れした異常な力によってクルーたちを殺していく。理性を失っている様子のファイフィールドをみた船長ヤネックは、やむなく火炎放射器で焼き払い、装甲車両でひき殺してなんとか撃退しました。
あらすじ7/9「ピーター・ウェイランドの野望」
ショウはデヴィッドに保護され、ある部屋に案内されます。
そこには、ウェイランド社のトップであるピーター・ウェイランドがいました。
ウェイランドは生命装置につながれており、老衰でかなり疲れた様子でした。
「やっぱり乗っていたのね。」
ショウが言います。
そこでウェイランドの本当の目的を知らされるショウ。
ウェイランドは、老齢でこの先数カ月の命であることを告白しました。そしてエンジニアのテクノロジーによって自身を若返らせ、不老不死にする方法を聞き出そうとしていたのでした。
プロメテウス号はそのための宇宙船であり、研究成果を待つことができないウェイランドはコールドスリープにより寿命を長引かせ、船上していました。
※デヴィッドの行動の裏には、ウェイランドの命令があったのです。
デヴィッドによって発見されたコールドスリープ中のエンジニアに会いに行くため、ウェイランドはコールドスリープから目覚めたのでした。
「私はエンジニアに会いたい。」とウェイランドは言いました。
「一人生きています。いまから会いに行きましょう。」デヴィッドは答えました。
「私を死から救ってもらう。」
ショウは「ここはあなたが思っている場所じゃない。脱出しないと!」とウェイランドに強く提案します。
「ホロウェイならどうする?確かめずに帰るのか?人類の意義を。存在理由を。」
ショウは悩んだ末、決心した表情で私も連れて行ってほしいと願い出ました。
ヤネックの仮説
ショウは満身創痍のまま全身スーツを着用して出発に備えていました。
船長ヤネックは自分が考えた仮説をショウに話します。
「ここはエンジニアの星じゃない。軍事施設のようなものなんじゃないか。大量兵器をつくるためにこんなへき地の惑星を選んだんだ。」
「エンジニアたちはその過程で自らの生物兵器によって全滅したのかもしれない。」
「でもひとり生きているの。たしかめたい。」ショウは答えました。
そのころヴィッカーズはウェイランドと話していました。
「あそこへ行ったら死ぬわよ。お父様。」
ここでヴィッカーズはウェイランドの娘であることが判明します。
あらすじ8/9「エンジニアとの対面」
ショウはデヴィッドに質問します。
「ピーター・ウェイランドが死んだらあなたはどうなるの?」
「・・・自由になるでしょうね。」
デヴィッドはウェイランドたちをエンジニアが眠る宇宙船に案内します。
「この中では呼吸できます。」ヘルメットを脱いでも大丈夫だとデヴィッドは言いました。
「クルーたちが感染した経路が不明なのよ。危険だわ。」ショウが言いました。
「ここでは感染しません。」
「どうしてわかるの?」
「・・・。」
ショウは何かに感づきました。
宇宙船内部にたどり着いた一行は、エンジニアをコールドスリープから目覚めさせました。
エンジニアは起き上がり、ゆっくりとあたりを観察すると一行の前にやってきました。ウェイランドはすかさずデヴィッドを呼び、古代語で対話を試みようとします。
ショウはエンジニアに罵声を浴びせます。
「どうしてこんなことを!」
しかし他のクルーたちに抑えられます。
デヴィッドは学習しておいた古代語でエンジニアに話しかけます。
ウェイランドは「我々は呼ばれたから来た。不老不死の方法を教えてほしい。」とデヴィッドに通訳するように指示します。
私を死から救ってほしいと。
エンジニアはしばらくじっとしていたが、突如としてデヴィッドの頭部を引きちぎると、ウェイランドに投げつけ暴れだしました。
ウェイランドは後方に倒れ、その衝撃で動けなくなりました。
「ここには、何もなかった・・・。」ウェイランドはそう言うと息を引き取ったのでした。
「そうです。ウェイランドさん良い旅を。」首だけとなったアンドロイドのデヴィッドはそう答えました。
パニックになったクルーたちはちりぢりになってしまいました。
エンジニアは誰もいなくなった宇宙船で操縦席に座ると、次の目的地を地球に設定しました。それを見ていたデヴィッドはショウにそれを伝えます。
エンジニアの乗った宇宙船が動き出し、離陸しようとしていました。
ショウはそれを聞き、その場から逃げながら確信します。
船長のヤネックに「エンジニアはこの星を出発する予定だったのよ。そしておそらく次の目的地は地球。今この宇宙船を止めないと地球が危ない!」と伝えました。
ヤネックの男気
事態を把握したプロメテウス号のクルーたち。
ヴィッカーズはヤネック船長たちにすぐさま地球への帰還を命じます。
しかし、ヤネック船長と操縦士であるチャンス、ラヴェルの3人は命令を無視しました。
プロメテウス号のエンジンを全開で点火し、ひとつの弾丸として心中覚悟でエンジニアの宇宙船にぶつけるつもりです。
宇宙船が離陸するとそのまま大気圏に向かって飛び出していきます。ヤネックたちはプロメテウス号を宇宙船めがけて発射させました。
あきれたヴィッカーズは、急いで脱出ポッドに乗りプロメテウスから逃げました。
ヤネックは意気揚々と叫びます。
「よーしみんな、手放しだー!」
さながらジェットコースターに乗るかのような後悔のない表情で船員たちは、両手を上げ宇宙船に衝突したのでした。
両者の船はぶつかり、爆発すると墜落していきます。
ヴィッカーズは脱出ポッドで地上に出たが、運悪く頭上には墜落してくる船が迫っていました。必死に逃げるヴィッカーズだったが、最後には下敷きになり死亡しました。
ショウの酸素残量
間一髪、地上に逃れたショウはスーツの酸素残量が残り少ないことに気づきます。
「酸素があと2分で無くなります。」警告音が鳴り始めます。
酸素を補充するため、墜落したプロメテウス号に向かうショウ。
なんとかたどり着き、酸素を補給するとデヴィッドから通信が入りました。
「デヴィッドです。すぐに逃げてください。エンジニアがそこに向かっています。」
すぐそこには墜落から生き延びた怒り心頭のエンジニアがショウに襲いかかろうとしていました。
あらすじ9/9「イカエイリアンVSエンジニア」
ショウは船内に逃げ込むとイカエイリアンを隔離した部屋に向かいます。
部屋に隔離したイカエイリアンは成長を続けていて、いまや部屋を覆うほど大きくなっていました。
すぐ後ろにはエンジニアが迫っています。ショウはエンジニアに襲われながらも、何とかイカエイリアンを閉じ込めた部屋の扉を開けることに成功します。ショウはその場からすぐさま脱出しました。
扉が開くとイカエイリアンは近くにいたエンジニアの体に巻き付きました。すさまじい戦闘能力で必死に抵抗するエンジニア。イカエイリアンをついに瀕死のところまで追いつめます。しかしイカエイリアンは触手をエンジニアの口に突っ込みエンジニアの息の根を止めたのでした。
ショウのこれから
デヴィッドから通信が入りました。
「ショウ博士。大丈夫ですか?心配しました。」
「・・・あなたが心配を?」
「助けてください。私がいれば宇宙船を操縦できます。ほかにも宇宙船はあったんです。」
ショウはデヴィッドの頭部を回収しに向かいます。
ショウは言いました。
「私は地球に帰りたいんじゃない。彼らの星に行きたいの。」
デヴィッドが答えます。
「なぜですか?」
「彼らは人間をつくっておいて滅ぼそうとした。その理由を知りたいの。私にはその義務があるわ。」
「理解できません。知ってどうするのですか?」
ショウは答えました。
「そこが人間とロボットの差よ。」
『通信、私はショウ・エリザベス。2094年1月1日。プロメテウス号の船員は全員死亡しました。私はこの死の星から脱出します。通信を聞いてもこの星には決して近づかないでください。』
場面は変わり、プロメテウス号内部。
エンジニアの体がピクリと動きました。次の瞬間エンジニアの胸を何かが突き破ります。中からは見覚えのある生命体が誕生していました。
そこには、黒く光り、後頭部のとがった「あのエイリアン」の姿があったのでした。
続編はこちらからエイリアン:コヴェナント
~観終わった後の感想~
プロメテウスめちゃめちゃ面白かったです。僕がこの映画をはじめて観た時は、エイリアンに関係している映画だったなんて前情報なく観たので、途中からあれれ・・これもしかして、って感じでした。そこから小っちゃいエイリアンが出てきたときには、大興奮してしまいましたね(笑)
ストーリーもすごい好みで、人間をデザインしたいわゆる神のことをエンジニアと言ってみたり、そのエンジニアに実際に会いに行くだなんて琴線にふれまくりです!さすがリドリー・スコット監督!おみそれしました!
またクリーチャーやエンジニアらしき白い巨人の造形や世界観などもセンスが研ぎ澄まされていて、見ているだけで神秘的で恐怖的な世界に踏み込んでしまったかと錯覚させられました。しかも最後にあの見慣れたエイリアンが出てきたときはキターーと叫んでしまうほど興奮しちゃいましたね!まあエイリアンは嫌いなんですけど(怖いしキモいしグロいから)、そんな僕でも興奮しちゃうくらいこの映画は面白かったってことですね。