【ネタバレ真相】なぜ?アイアムレジェンド別エンディングの理由や違いを解説

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アイアムレジェンド別エンディングについて

出典「アイアムレジェンド」より

2007年公開映画【アイアムレジェンド】に別エンディングがあったことはご存じでしょうか。
アイアムレジェンドは、ニューヨークでたったひとり生き残った男がダークシーカーと呼ばれる怪物と戦うお話です。

なぜ2種類のエンディングが存在するのか。その理由や違い、タイトルの意味について解説します。

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何故?エンディングが2つある理由は評判のせいだった?

映画アイアムレジェンドに2つのエンディングが存在する理由。

それは・・ 実は、評判が悪かったからなんです。

多くの場合、ハリウッド映画は完成後にスクリーンテストと呼ばれる試写会で観客の反応を調査します。 その後、調査を元に追加の撮影や細部の変更を行い、映画は完成となります。 本作アイアムレジェンドでもスクリーンテストが行われたのですが、元々あったエンディングを試写会で放映したところ、大不評を食らってしまいました。 そのため急遽、追加撮影を行いエンディングを差し替えたのでした。

不評となった原因は、観客がアクションホラーとして分かりやすいハデな最後を望んだ結果と言われています。

しかしそのせいで、つじつまが合わなくなってしまった部分などが多々見られるようになり、劇場公開版のエンディングは批評家や原作ファンから叩かれるという結果になりました。

映画は興行で成功しなければ、莫大な損失をともないます。そのため観客の声を無視するわけにはいかず、分かりやすい最後にするか、作品の本筋を通すことを選ぶか難しい選択を迫られることが多々あるようです。

個人的には本来のエンディングのほうがしっくりきたなぁ。 監督には信念をつらぬいてほしかった。

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【動画付き】劇場公開版とDVD版2つの違いを比較!

まずは劇場公開版とDVDに収録された別エンディング版の動画を載せていますので興味のある方はご覧ください。
※前半のエンディングが劇場公開版で、後半が別エンディング(本来のエンディング)になります。


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劇場公開版のエンディング
ダークシーカーに襲撃された主人公ロバートたちは地下の研究室に逃げ込みます。 そして実験の成果である血清を渡し、奥の小部屋に二人を隠しました。 ロバートは手りゅう弾を手に取り、ダークシーカーの群れに飛び込み自爆したのでした。場面は変わり、生き残った2人は血清を手に生存者のコロニーを訪れます。

主人公ロバート・ネビルは人類再建のため命をかけた英雄として「伝説」になったのでした。

別エンディング
ダークシーカーに襲撃された主人公ロバートたちは地下の研究室に逃げ込みます。 地下室でダークシーカーに知能があることを理解したロバート。被検体の女性ダークシーカーに注射をして、血清を無効化します。 そして女性を彼らに返すとダークシーカーたちは帰っていったのでした。

数々の実験体の写真が貼ってある研究室の中、ロバートは気づきました。
彼らにとって「私こそが伝説の怪物」として恐れられていたのだと。

2つのエンディングを比較すると主に以下の内容に違いがあります。

  • 「アイアムレジェンド」のタイトルに含まれた意味
  • 主人公のロバートの生死
  • 「蝶」が意味する内容の違い
  • 生存者の村が本当にあるかどうか

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「アイアムレジェンド」のタイトルに含まれた意味

まず2つのエンディングによってタイトルのレジェンド(伝説)の意味が変わっています。
劇場公開版は「人類を救った英雄としての伝説」という意味になります。
一方別エンディング版では「殺人をくり返す恐怖の存在としての伝説」です。

個人的には本来の結末であった別エンディング版がタイトルとしてしっくりきますが、皆さんはいかがでしょうか。

主人公のロバートの生死

劇場公開版のエンディングでは最後、ロバートが手りゅう弾を持ってダークシーカーに体当たりして爆死します。
しかし別エンディング版では、ロバートは生き延び、アンとイーサンを連れて生存者の村に向かうところで物語は終わります。

「蝶」が意味する内容の違い

アイアムレジェンドでは啓示として蝶が現れます。はじめにその啓示があったのが、娘が死ぬ前に言った言葉です。 娘は妻とともにヘリに乗ってニューヨークを離れるはずでしたが、途中事故に巻き込まれてヘリごと爆発、墜落してしまいます。

その娘が別れ際に言った言葉が 「みて。パパ。蝶々よ。」でした。

無邪気に手で蝶々の形を模して遊んでいる姿が印象的でした。 劇場版エンディングでは、この蝶はダークシーカーが体当たりしたことで、強化ガラスにヒビが入り、その模様が蝶に見えます。

一方、別エンディングでは、ダークシーカーが強化ガラスに自分の血で蝶のような模様を書きます。 ロバートがゆっくり被検体の女性ダークシーカーを見ると体に蝶のタトゥーがありました。 ロバートはそこで、ダークシーカーには知性があることを知り、女性ダークシーカーを解放して一言「すまなかった」と言います。

蝶は「復活」「魂」を暗示している

二人のダークシーカー

出典「アイアムレジェンド」より

蝶とは古代ギリシャ・ローマにおいて「復活」や「魂」の象徴として用いられています。
劇場版のエンディングでは、ロバートの自己犠牲の精神こそが魂の救済となり、人類の復活へとつながることを示唆しています。

しかし別エンディングでの蝶の意味は全く異なります。 ロバートはダークシーカー化した人々を感染者と呼び、異常な状態だと思い込んでいました。しかし実際は、ダークシーカーにも知性があり、仲間や恋人を思いやる心が存在したことをロバートは知ります。

つまり状態が変化しただけで心のない怪物になったわけではなかったのでした。
生物が衰退、繁栄を繰り返し、移り変わるようにダークシーカーもまた、人とは違う進化を遂げた一つの種族、生命だったのです。 蝶の啓示である「魂」や「復活」はヒトのそれではなく、彼らダークシーカーのことを表していたということになります。

地球から見れば、ロバートは生物の移り変わりに抗う異端者だったという皮肉が込められています。

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「アイアムレジェンド」タイトルに隠された本当の意味

劇場公開版と別エンディング版では、タイトルの「アイアムレジェンド」の意味は真逆になります。
劇場公開版では、ロバート・ネビルは命を賭けて人類救済に貢献した救世主としての「伝説の男」

一方、別エンディング版では、ダークシーカーにとって、仲間を次々と殺していく「伝説の怪物」

劇場公開版は急遽差し替えられたせいもあり、少し違和感を感じてしまいます。アイアムレジェンドは直訳すると「私は伝説です」になります。 確かに人類救済に貢献した英雄ではありますが、自ら私は伝説の男だというのは少しおこがましい気もします。

なにより英雄になった時、ロバート・ネビルはすでに死んでいるので、天国で自分のことをそう言ったと解釈しかねません。 でもそれって結構ださいですよね(笑)。天国から自分のことを「俺は伝説の男だぜ」なんて思っているのかと思うと少し笑ってしまいます。

この話の流れで行くなら、タイトルは「ヒーイズレジェンド」(He is legend:彼は伝説)とするのが自然だと思いましたね。 彼の死後、血清によって救われた人たちが、彼は救世主(伝説)だと語り継ぐのであれば主人公の品格も落とさず、良かったと思います。

その点、別エンディング版は本来のエンディングになるはずだったので、タイトルの伏線を見事に回収しています。 ダークシーカーを悪と決めつけ、人類のため非道な実験をくり返したロバート。 しかし劇中終盤、ダークシーカーも地球に存在するひとつの生命であり、知性や社会性を持った種族であることを理解します。

そして自分こそが伝説の怪物だったのだと悟ります。 つまりアイアムレジェンドとは自らの悪事を認め、それを悔やむ皮肉をこめた主人公の懺悔の言葉だったのです。

タイトルの意味を知れば知るほど、主人公の苦悩が伝わってくるね。 アクションホラーというジャンルだけど実は深いテーマ性があったんだね。
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原作の結末は自殺だった!本当のラストとは

アイアムレジェンド原作「地球最後の男」

アイアムレジェンドの原作「地球最後の男」。 映画アイアムレジェンドとは設定かなり違っていますが、皮肉を込めた最後のセリフは映画の別エンディング版と似通った部分があります。

「地球最後の男」結末 原作でのロバートは、ダークシーカー(原作では吸血鬼に近い)から「古い人類の最後の人」と呼ばれ、恐れられていました。 そして物語終盤、ダークシーカーに捕まったロバートは仲間からこっそり渡された自殺用の錠剤を飲みます。

窓の外をみると、ダークシーカーたちが恐怖の目でロバートを見つめています。ロバートは薄れる意識の中、思います。
「俺は今では、伝説の怪物なのだ。」

原作の最後は自殺して終わっているのが、なんとも衝撃的で切なかったです。 ページ数も160ページとそんなに多くなく、大変読みやすかったので、原作に興味のある方は是非読んでみてくださいね。

原作は読みやすくて本当に面白かった。 映画とはかなり設定が違うから、別物として読んでみた方が良いかも。
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エンディングを比較しての感想

本来なら、今までにない考えさせられるゾンビ映画になっていたのに、もったいないと感じました。

辛口になりますが、劇場公開版のエンディングを観たあと、ロバートがどうしても死ななければならなかった理由がよく分からなかったですね。 なぜ、一緒に奥の小部屋(焼却炉?)に避難しなかったのか?奥の小部屋が小さく入れないとしても机を盾にして生き延びようとするくらいはしてほしかったです。

また、手りゅう弾ひとつで地下の研究室が炎の海になるのも無理があると感じました。 研究室なので実験に使用するための可燃性ガスボンベが置いてあったのかもしれないですが、ロバートが体当たりをする意味が分かりません。 強化ガラスはひび割れていたので、間から投げ入れることも出来たと思うのですが、映画にそこまで突っ込むのは少し野暮かもしれませんね。

個人的にはタイトルのつじつまを合わせるために「死んで伝説になった」風にしたかったようにしか思えず少し残念でした。

ウィル・スミスの演技は最高だったから、続編があったら観てみたいなー。

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