全世界興行収入3.958億ドルを記録したスタジオジブリの世界的ヒット作『千と千尋の神隠し』。
数々の都市伝説や裏話が存在する本作について、このページでは幻のエンディングや裏設定など、怖いけど面白い、そんな都市伝説22選をご紹介します。
目次
- ➀幻のエンディングは存在した?その後のラストシーンとは?
- ➁火垂るの墓「節子」がいた?!驚きの真相とは?
- ➂千と千尋の神隠しは千尋の臨死体験だった?
- ➃千と千尋の神隠しの裏設定は風俗店だった?
- ➄千尋が名前をわざと書き間違えた?漢字が違う理由とは?
- ➅千尋のお母さんはなぜ冷たい?怖い理由があった?
- ➆ハクは兄だった?千尋を知っていた理由とは?
- ➇トンネルで振り向いてはいけない本当の意味とは?
- ➈電車はどこに向かっていた?死者を運ぶ噂とは?
- ➉両親が豚になった本当の理由ってなに?
- ⑪なぜ千尋は豚の中に両親がいないとわかった?
- ⑫トトロとつながっていた?黒い生物の正体とは?
- ⑬当初は「千と千晶の神隠し」になるはずだった?
- ⑭千尋が滞在したのは4日ではなく、1ヶ月だった?
- ⑮ハクは最後に八つ裂きにされていた?
- ⑯千尋とハクはもののけ姫のサンとアシタカの生まれ変わり?
- ⑰カオナシって結局何者?悪魔サタンだった?
- ⑱坊は誰の子ども?湯婆婆の息子にしては年が離れているのはなぜ?
- ⑲リンとは何者?正体は白狐だった?
- ⑳おしら様がエレベーターで千尋を助けた理由とは?
- ㉑オオトリ様の悲しき過去に涙!正体はひよこの亡霊?
- ㉒ハクのおにぎりで千尋が泣いた本当の理由とは?
➀幻のエンディングは存在した?その後のラストシーンとは?
『千と千尋の神隠し』でたびたび噂される幻のエンディングとは一体どういうものなのか?本当に存在していたのでしょうか?
まずは幻のエンディング、その後のラストシーンについて解説します。
#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/Eit8PGWvp6
— ハグズキュア (@urZ7exzYMSkwS0q) March 6, 2019
幻のエンディングについて
『幻のエンディング』
千尋は油屋に別れを告げ、両親とともにトンネルを抜ける。そして髪留めが知らないものに変わっていることを不思議に思う。
新居に向かう途中、丘から引っ越し業者がすでに到着しているのが見える。お母さんは「もう、業者さん来ちゃってるじゃないの!」とお父さんに怒る。
新居に到着すると、引っ越し業者から「遅れられると困りますよー」と注意された。
千尋は新居の周りを何気なく一人で歩いてみた。少し先に短い橋の架かったキレイな小川があった。千尋は吸い寄せられるようにその小川に向かう。
橋の上から小川のせせらぎをのぞき込み、しばらく眺めていた。すると千尋の目が段々と輝きだし、何かを思い出したかのようにハッとした表情を浮かべた。
─ 終わり ─
この幻のエンディングは『千と千尋の神隠し』のその後のラストシーンを描いたものと言われています。
千尋は油屋を出た後、異世界での出来事を忘れてしまいました。銭婆からもらった紫色のヘアゴムを不思議がっていたことがそれを示唆しています。
そして、新居に向かい、小川を見つめているうちに、ここがハクの新しい住処だと理解し、不思議な異世界での出来事をすべて思い出して物語は幕を閉じます。
この幻のエンディングは公開当時、観たという人が続出し、公開から時が経つにつれてその数は増えていきました。「限定した劇場でのみ放映された」「公開初日のみ放映された」「VHSテープ版のみに収録されている」などの尾ひれがつき、この幻のエンディングは信憑性を増してきました。
果たして、本当にこの幻のエンディングとその後のラストシーンは存在したのでしょうか。
その答えについて2022年1月7日ついに公式Twitterから発表がありました。
幻のエンディングについてジブリ公式が否定
A:都市伝説です。
宮﨑さん「最初は千尋の家から始める予定だったんだよ。千尋の部屋が妖怪の通り道になっていて、お母さんと一緒に湯屋へいくって話。でもまどろっこしいからやめたんだよね。なのでそういう噂が流れているんだったら、面白いね!」— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) January 7, 2022
公式の見解によるとこの幻のエンディングは全くのデマであり、都市伝説であることが判明しました。
当初『千と千尋の神隠し』は新居である千尋の部屋が妖怪の通り道になっていてお母さんと一緒に不思議の町の油屋に迷い込んでしまうというお話だったそうです。しかしまどろっこしいという理由から新居でのシーンは制作されませんでした。
幻のエンディングは集団幻覚だった
それでは幻のエンディングとその後のラストシーンについて、なぜこのような噂が広がったのか。
一説にはマンデラ効果による集団幻覚が原因ではないかと言われています。
マンデラ効果とは、事実と異なる記憶を不特定多数の人が共有してしまう現象のことです。『千と千尋の神隠し』の本来あったラストシーンが淡々としたものであったのに対し、作品を観た人たちが後から思い返したときに記憶がうろ覚えのまま、このような幻のエンディングを思い描いてしまったそうです。
たしかに本作は千尋がトンネルから抜けて車に向かうところで終幕というサッパリとした終わり方でした。それに対して幻のエンディングはその後の千尋とハクの結末として大勢の方が納得する内容となっていたため、「あり得そう」から「あったような気がする」、「たしかあったはず」となり、「観た記憶がある」と変わっていったようですね。
たくさんの人が千尋とハクのその後を気になって想像したんだろうね。
➁火垂るの墓「節子」がいた?!驚きの真相とは?
自殺者や自殺志願者など死へと向かう人を乗せ、あの世へ行くと言われている電車「海原電鉄」。千尋が乗ったこの海原電鉄の電車は銭婆のもとへ向かう途中、沼原という駅に停車しました。駅のホームをよく見ると黒い少女が立っています。
この少女は『火垂るの墓』の節子と言われています。
節子は『火垂るの墓』で栄養失調により兄の清太より早くに亡くなりました。そして長い年月、この沼原駅で兄の清太を待っていたのです。
しかし兄の清太はいつまで経っても来ません。『火垂るの墓』終盤で清太は幽霊の姿となって町にたたずんでいます。
節子を死なせてしまった自責の念から清太は死んだあとも、節子や両親と暮らした町に地縛霊となってさまよっているからです。
あれからずいぶん時が経ったにも関わらず、節子がいまだ沼原駅のホームで待っているなんて悲しすぎる都市伝説ですね。
あのふたりには生まれ変わって早く幸せになってほしい・・。
➂千と千尋の神隠しは千尋の臨死体験だった?
『千と千尋の神隠し』は千尋と両親がトンネルを抜けて不思議の町に迷い込むお話ですが、実は千尋の臨死体験だったという説があるんです。
物語冒頭、道に迷った千尋一家は山道を荒々しい運転で突き進みます。そしてその道中で事故に遭って千尋一家は怪我を負い生死の境をさまよっていたというものです。
元々、不思議の町は死者や幽霊、神々に妖怪など超次元的な存在が訪れる町です。いわゆる三途の川や煉獄と呼ばれる場所にあたります。
千尋一家はそこに迷い込み、臨死体験をしたと言われています。そして千尋は油屋でハクと出会い、様々な人と関わりながら成長し、両親を救って町を抜け出したというわけですね。
あれ?なんか違和感あるな…?
でもそうだとするとちょっとおかしいですよね。物語冒頭で事故に遭って、臨死体験をしていたとするなら、エンディングで元の世界に帰ってきたときに車が壊れていなかったのはなぜでしょう。それどころか千尋や両親に何の怪我もなかったのはなぜでしょうか。
じゃあ、そもそも事故なんてなかった?この都市伝説は嘘だったってこと?
こういった臨死体験から現世に戻ってくるお話では、場面が暗転して気づくと病院の天井を見上げているなんてことがよくあると思います。
しかし千尋一家は目を覚ます様子もなく、そのまま車に乗って物語は終わります。
果たして千尋たちは本当に現世に帰ってこれたのでしょうか?
銭婆はなぜ、紫色のヘアゴムを渡したのでしょう?
トンネルを抜けてもヘアゴムが存在しているということは、現世に戻ってきていないということを暗に千尋に教えていたのではないでしょうか。
また、油屋に別れを告げる際、坊が言ったひとこと
「またね。」
とは何を意味するのでしょうか。
千尋たちはあの後、一体車でどこに向かったのか、引っ越し業者の待つ新居・・?
それとも・・。
…怖い、本当だとしたらめちゃめちゃ怖い話だね。
➃千と千尋の神隠しの裏設定は風俗店だった?
有名な話ですが、『千と千尋の神隠し』は裏設定として風俗店(遊郭)をモデルにしています。
スタジオジブリ公式の回答や宮崎駿監督のインタビューでも、肯定していますので、真実とみて間違いないでしょう。
「プレミア日本版2001年9月号」より抜粋
いまの世界として描くには何がいちばんふさわしいかと言えば、それは風俗営業だと思うんですよ。日本はすべて風俗産業みたいな社会になっているじゃないですか。いま女性たちは、売春窟に似合いそうな人がものすごく増えてる国なんじゃないかと思いますね。男はといえば、僕は徳間社長の葬儀の委員長をやったんですが、目の前を通る偉い人もそうでない人も、似合いもしない背広着て歩いていると、みんなカエルに見えたんですね。立派に見える人なんて一人もいない。もはやカエル男とナメクジ女の国ですよ。
つまり、湯屋とはソープ(風俗)をあらわし、湯女とは「遊女(売春婦)」を示していたということですね。
日本では赤ちょうちん(赤い光)を古くから売春宿の印として使用されてきました。油屋の装飾に赤ちょうちんが多く使われていることから、江戸時代の遊郭を参考にしていたのではないかと思われます。
ちなみに千尋が「千」として働くことになったのは、水商売で源氏名を使う習わしからきているそうです。
それにしても男性従業員がカエル、女性従業員がナメクジをイメージしていたとは驚きですね。この背景を知ってから観返してみると、『千と千尋の神隠し』の新しい側面がみえてきて面白いですね。
ジブリは相変わらず社会風刺が効いてるなぁ。
➄千尋が名前をわざと書き間違えた?漢字が違う理由とは?
千尋が湯婆婆に命じられ、契約書に名前を書いたシーン。紙から文字が浮き出して千尋は湯婆婆に名前を奪われます。その後千尋は「千」として油屋で働くことになります。
名前を奪われるということは、この世界では重要な意味を持ちます。双方の同意なしでは契約を破ることは決して許されず、契約者にとって逃げられない束縛を意味します。
お気づきでしょうか。実はこのシーン、千尋は自分の名前を間違えて書いていたんです。
千尋の本名は「荻野千尋」です。
しかし、紙には「荻」の「火」を「犬」と書いているのです。
※ちなみに千尋が自分の名前を忘れず、自由に行動できたのは名前を間違えたおかげだと言われています。
これは一体どういうことでしょう。
可能性として考えられるのは以下の3つです。
- 千尋がわざと名前を間違えた
- ハクが名前を間違える魔法をかけていた
- 不思議の町で自分の名前を忘れかけていた
千尋がわざと名前を間違えた
千尋が湯婆婆の怪しさに気づき、名前をわざと間違って記入したという説です。
名前を書くシーンの直前、千尋は湯婆婆に脅され、怪しげな魔法を目の当たりにしています。一目見ただけで分かるほどの性悪魔女。そんな湯婆婆との契約に千尋が危機感を持ったとしても何も不思議ではありません。
本当の名前を書かなければ、契約は成立しない。そんな思考が千尋の頭の片隅にあり、名前をわざと間違えたのかもしれません。
ハクが名前を間違える魔法をかけていた
2つめはハクが事前に魔法をかけていたという説です。ハクは千尋が名前を書き、契約を結んだあと、こうアドバイスします。
「湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。」
でも契約を結んだあとで、ハクが千尋にこんなこと言うのってかなり変ですよね。
契約が結ばれれば、千尋は名前を忘れてしまうのに、もっと早く言えよって感じです笑。しかも慌てた様子もなく平然と千尋に語りかけているんです。
ハクは誠実で心優しい少年なので、この発言はかなり無責任に感じます。そこから導き出された説が、「あらかじめハクが千尋に名前を間違えるよう魔法をかけていた」です。
これならハクの言動につじつまが合います。ハクは元々川の主で神様です。しかも湯婆婆の弟子なので、そのくらいの魔法をかけることは簡単です。事前に説明するより手っ取り早く、不要なリスク(千尋が本当の名前を書いてしまう)を回避できます。個人的にはこの説が有力な気がします。
不思議の町で自分の名前を忘れかけていた
不思議の町は神々の世界です。普通の人間は働かなければ、動物にされますし、動物にならなかった者も存在が消滅していくか、自分が何者かわからなくなっていきます。
千尋も一度、半透明になり、存在が消えかかったことがあります。その時はハクが神々の世界の食べ物(おにぎり)を与え、助かりましたが、すでに記憶が無くなり始めていました。
そのため、湯婆婆との契約時に自分の名前を間違えてしまったのではないかという説です。
➅千尋のお母さんはなぜ冷たい?怖い理由があった?
『千と千尋の神隠し』に登場する千尋のお母さんって何だか冷たく感じませんでしたか?
お父さんとは仲良く会話しているのに、千尋とは目を合わさず、「あまりくっつかないで」と言ったり、千尋との関係があまり良くないようにも思えます。
サバサバとした性格なだけかもしれませんが、違和感を感じた人も多いのではないでしょうか。
実はこれには理由があったのです。
千尋には兄がいた?身代わりになった罪とは?
千尋には2つ年の離れた兄がいました。そして幼いころ、千尋が家の近所にあった川でおぼれたところ、兄が川に飛び込み、妹の千尋を助けようとしました。その結果、千尋は助かり、兄は命を落としました。
母親は事故とはいえ、千尋のせいで兄が亡くなったことを心の内で許せていませんでした。そのため無意識に千尋につらく当たってしまっていたという説です。
もちろん、これは都市伝説で千尋に兄がいたという事実はありません。
しかし当初、宮崎駿監督は『千と千尋の神隠し』を千尋とお母さんが迷い込むお話にしようとしたそうです。
兄が千尋の代わりに命を落としたことで関係がぎくしゃくした母と娘。不思議の町に迷い込み、千尋と母は互いのわだかまりを解消し、強い絆で結ばれる成長物語。宮崎駿監督はそういった物語を構想していたのかもしれませんね。
➆ハクは兄だった?千尋を知っていた理由とは?
前述の母の説に通じる都市伝説ですが、実は亡くなった兄はハクだったという話があります。
正確には、川でおぼれた兄の身体に川の主であるハクが乗り移り、千尋を気遣っていたというものです。
本当なら衝撃の事実だね!
この説については以下のページで詳しく解説しています。良かったら見てくださいね。
➇トンネルで振り向いてはいけない本当の意味とは?
油屋に別れを告げ、元の世界に戻るためトンネルに向かった千尋とハク。トンネルの前でハクは千尋に言いました。
「絶対にトンネルを抜けるまで後ろを振り向かないで」
千尋に念を押したハクでしたが、もし途中で振り向いていたらどうなっていたのでしょうか。
千尋はトンネルを抜ける途中、振り返りそうになりますが、紫色のヘアゴムがきらりと光り、間一髪振り返らずに済みました。
一説には、この時振り向いていたらトンネルの前にあったダルマのような地蔵に姿を変えられていたと言われています。
古来より異なる世界を渡る際、「絶対に振り返ってはいけない」という話は世界各地で存在します。
物語冒頭にあった山の中にあったダルマのような地蔵は異なる世界をつなぐ門番の役目を果たしているそうです。
そしてルールを破ったものを同じダルマにしてしまいます。ダルマにされたものは未来永劫、その場から動くことができず、永遠にその場に居続けるようです。もし千尋が振り返っていたらと思うとゾッとしますね。
怖いけど振り返らなくて良かった!
➈電車はどこに向かっていた?死者を運ぶ噂とは?
死者を運ぶと噂される電車「海原電鉄」。物語の中で千尋は銭婆に会いに行くため、この電車に乗ります。
しかしこの海原電鉄は帰りの電車がありません。なぜでしょうか。
それはこの電車が向かう先が「あの世」だからです。
また、釜爺は千尋に切符を渡す際、こう言いました。
「昔は戻りの電車があったが、近頃は行きっぱなしだ。」
この発言から、昔は死者の魂が戻ってくることがあったということがわかります。死者の魂が戻ってくるのは少し怖い印象を受けますが、これはお盆のことを指していると言われています。
お盆とは一年に一回、ご先祖様や亡くなった故人が現世に遊びに来れるよう、きゅうりとなすで馬と牛を模したお供えものをして歓迎するという風習です。
昨今ではこの風習も薄れてきたため、ご先祖様が戻ってくることがなくなったと言われています。
ご先祖様を敬うのは大切なことだね。
➉両親が豚になった本当の理由ってなに?
千尋の両親が豚になった理由は、神々の世界の食べ物を無断で食べたからと言われています。
千尋たちが迷い込んだ不思議の町は古今東西の神様が住む世界でした。そこにある食べ物は神々の所有物であり、人間が決して食べてはいけないものだったのです。それを無断で食べた両親は罰により、豚にされました。豚は欲望を象徴する動物ですので、欲望を抑えきれなかった両親は醜い豚の姿に変えられたというわけですね。
ちなみに不思議の町では、神様以外は働かないと動物に変えられてしまいます。千尋一家は神々の世界に足を踏み入れた時点でどのみち何かの動物にされていたということですね。
勝手に食べたらダメだよね。
⑪なぜ千尋は豚の中に両親がいないとわかった?
なぜ千尋がたくさんの豚の中から、両親がいないとわかったのでしょう。考えられる可能性は以下の5つです。
- 親と子の絆によって見分けることができた
- 両親の豚には髪の毛があったから
- 銭婆にもらった髪留めの魔力でわかった
- 魔法を見破る苦団子を食べたからわかった
- 様々な経験を経て千尋が成長したから
この疑問について様々な考察がされてきましたが、宮崎駿監督のインタビューにその答えがありました。
『宮崎駿監督インタビュー』より抜粋
『千と千尋の神隠し』が公開されたときね、最後の豚の集団を見て、千尋がお父さんとお母さんがそこにいないとなぜ分かったのか説明していない。論理としておかしいと、説明を求めるタイプの人達がいる。でも、僕はそういうのをを大事だと思っていないから。これだけの経験を経てきた千尋は両親がいないことが分かる。なぜ分かるか、でも分かるのが人生ですよ。それしかないんですよ。
要約すると、「細けぇことは気にすんな!俺が分かるって言ったら分かるんだよ!」ってことらしいです笑。
つまり千尋は成長したから分かるんだってことですね。なんとも明快で宮崎駿監督らしいお言葉です。
分かるのに理由なんてないってことだね!
⑫トトロとつながっていた?黒い生物の正体とは?
釜爺のもとで働いているかわいい従業員ススワタリ。このススワタリ、実は『となりのトトロ』に出ていた「まっくろくろすけ」と同種の存在らしいんです。まっくろくろすけがふわふわと浮かんでいるだけなのに対して、『千と千尋の神隠し』のススワタリは手足が伸びていて軽い石炭くらいなら運べます。
また、釜爺に文句を言ったりするなど、生物としての意思も持っています。好物は金平糖で与えると大喜びします。とっても愛くるしいですね。
愛嬌があるし、役に立ちそうだもんね。
⑬当初は「千と千晶の神隠し」になるはずだった?
『千と千尋の神隠し』は当初「千と千晶の神隠し」になる予定でした。
元々、『千と千尋の神隠し』は宮崎駿監督が友人の娘に向けて作られたそうです。友人とは日本テレビプロデューサー奥田誠治さんのことです。
家族連れでキャンプに行った際、奥田誠治さんの娘、千晶さんの靴が川に流れてしまった出来事から着想を得て本作が誕生したんだとか。
さすがに千晶さんの本名を使うわけにはいかないということで『千と千尋の神隠し』というタイトルになったようです。
⑭千尋が滞在したのは4日ではなく、1ヶ月だった?
本作を時間の経過とともに観ていくと千尋が油屋に滞在したのは4日に思えますが、実は1ヶ月ほど滞在していたそうです。
2日目:くされ神が来館し、千尋がゴミを抜き取る
3日目:ハクを助けるため千尋が銭婆の元に向かう
4日目:最後の試練を乗り越え、両親とともに現世へ帰る
月の満ち欠けを見るとシーンごとに「三日月⇒満月⇒上弦の月」となっていますので、少なくとも1ヶ月は滞在していたことになります。
不思議の町では四季がなく現世とは時間の流れ方が違うという説もありますが、千尋がたった4日で人として成長したというのは少し時間的に早い気もしますので、1ヶ月ほど滞在したという説のほうが個人的にはしっくりきますね。
⑮ハクは最後に八つ裂きにされていた?
物語終盤、ハクは湯婆婆とある約束をします。それは千尋を助ける代わりに自分が八つ裂きになるというものです。
ハクの助けもあり、千尋は両親とともに無事トンネルを抜け、現世に戻りました。その時、千尋の紫色の髪留めがきらりと光ります。
この輝きはハクがその後、八つ裂きになった際に流した涙と言われています。
しかし本作をよく観てみると、約束というよりは口論をした風なやり取りをしており、湯婆婆の「八つ裂きになる覚悟はあるのか」という問いにハクは答えていません。
また湯婆婆が優秀な弟子であるハクをこの口論だけで八つ裂きにするとは考えられないため、この説は信憑性が薄い気がします。
ハクの八つ裂き説について詳しくはこちらに書いていますので、良かったら見てくださいね。
⑯千尋とハクはもののけ姫のサンとアシタカの生まれ変わり?
『千と千尋の神隠し』の公式設定資料集の中に、同じスタジオジブリ作品『もののけ姫』のサンが千尋の先祖であることが書かれています。
また、ハクのモデルとなった日本神話に出てくる「ニギハヤヒ」という神様は、アシタカのモデルとなった「アシタカヒコ」の祖先にあたる神様です。
- ハク⇒アシタカの祖先
- 千尋⇒アシタカとサンの子孫
『もののけ姫』の主人公アシタカとヒロインであるサンの血筋の末裔が千尋にあたり、ハクはアシタカの祖先になります。
つまり、ハクと千尋は時代を超えて限りなく遠い血縁関係にあったということです。
これが本当だとすると時代を超越したハク(アシタカ)と千尋(サン)の絆と愛に感服するばかりです。
⑰カオナシって結局何者?悪魔サタンだった?
カオナシは神様でもなければ、妖怪でもない異質な存在と言われています。そのカオナシの正体が悪魔(サタン)ではないかという話があります。その根拠となった場面がこちらです。
千尋とカオナシが電車に乗り、銭婆のもとへ向かう途中、カオナシの向こうガラスに「サタン」という文字が一瞬流れます。このサタンという文字がカオナシの正体をあらわす隠語となっているのではないかという都市伝説です。
しかし、宮崎駿監督のインタビューでは別の存在として示唆されています。
『宮崎駿監督インタビュー』より抜粋
カオナシは誰の心にも存在する。みんなの中にカオナシはいます。
宮崎駿監督はカオナシに現代人が持つ劣等感や欲望のジレンマを描くことで誰の心にも存在する悪魔(サタン)をあらわしたのではないでしょうか。
- コミュニケーション能力が低い
- お金で解決しようとする
- 短気で我慢ができない
- すぐに暴れる
また、上記の特徴から「現代の若者」をあらわしているとの説もあります。しかし上記の特徴は若者というより現代の中高年により強く当てはまる気もします。
いつの時代も真っ先に槍玉に挙げられるのは若者なので、そのような噂が出回ってしまったと考えられます。
⑱坊は誰の子ども?湯婆婆の息子にしては年が離れているのはなぜ?
『千と千尋の神隠し』に登場する赤いよだれかけをした大きな赤ちゃんこと「坊」。劇中では湯婆婆の息子として出てきます。
しかし、いくつか疑問がわきますよね。
- 湯婆婆の息子にしては年が離れすぎている?
- 坊が湯婆婆のことを「ばあば」と呼んでいるのはなぜ?
- 坊の父親は誰か?
湯婆婆の息子にしては年が離れすぎている?
湯婆婆の息子にしては年が離れすぎているのが気になるところです。どちらかというとおばあちゃんと孫のような関係にも見えますね。
ところが、スタジオジブリの公式資料集には坊のことをはっきり「湯婆婆が溺愛する息子」と書かれています。公式に発表されていることなので、坊は湯婆婆の息子とみて間違いないでしょう。
湯婆婆の年齢で子どもが生まれるのかという疑問がわいてきますが、もともと、湯婆婆は人間ではありません。不思議の町の住人であり、魔女です。あの神々の世界を我々人間の常識に当てはめようとするほうが
無理があるのかもしれません。
また、湯婆婆は魔女なので姿を変えることも可能ですし、魔法を使って子どもを誕生させたとしても不思議ではありません。
ハクも実際の年齢(推定100歳以上)より若い12歳くらいの姿をしていたことから、あの世界では年齢と外見はあまり関係がないのかもしれませんね。
坊が湯婆婆のことを「ばあば」と呼んでいるのはなぜ?
坊はれっきとした湯婆婆の息子ですが、坊は湯婆婆のことを「ばあば」と呼んでいます。これには少し違和感を感じます。しかし元々坊は口が悪く、わがままな性格なので湯婆婆の見た目からお母さんとは呼ばず、「ばあば」と呼んでいる可能性があります。湯婆婆も名前に「婆」という文字が入っているので、あまり抵抗がないのではないでしょうか。
坊の父親は誰か?
気になるところですよね。
スタジオジブリ公式には何も発表されていませんので、あくまで推測になりますが、坊に父親はいないと思われます。
不思議の町はもともと我々の常識が当てはまる世界ではありません。湯婆婆が妖怪だとすると性別の概念はなく、単為生殖で子孫を作り出しているのかもしれません。
もしくは魔法で生み出したと捉える方が個人的にはしっくりきます。
なぜなら、あの湯婆婆が恋愛しそうには見えないから・・・というのは少し差別的かもしれませんね笑。
⑲リンとは何者?正体は白狐だった?
千尋の良き先輩で、良き相談相手だったリンですが、彼女の正体は何者なのでしょうか?
公式資料集の中には、当初リンが「イタチ」か「テン」が化けたキャラクターにするという趣旨の文言が書かれています。
その後、初期設定のラフ画に「リン(白狐)」というメモ書きが残されていますので、白狐の化身とみて間違いないと思われます。ちなみに年齢は14歳という設定とのことです。
⑳おしら様がエレベーターで千尋を助けた理由とは?
千尋が油屋に入った際、不審に思われた従業員から追われる千尋を隠し、助けてくれたおしら様。
お椀をかぶり、白くでっぷりとした体のおしら様は大根の神様がモデルとなっています。またおしら様は子供好きという設定があります。
そのため子どもの千尋が困っているのを助けてくれたと言われています。
㉑オオトリ様の悲しき過去に涙!正体はひよこの亡霊?
大きなひよこの姿をしたオオトリ様。愛くるしいその姿はファンの間でも人気の高いキャラクターです。
実はこのオオトリ様の正体は成長できなかったひよこの亡霊だそうです。
にわとりに成長する前に病気や様々な理由で亡くなってしまったひよこの亡霊が神格化されたキャラクターだと言われています。
現世で不幸に見舞われたオオトリ様ですが、油屋でくつろいで楽しんでいる姿をみるとホッとしますね。思わず「ゆっくりしていってくださいね」と言いたくなります。
㉒ハクのおにぎりで千尋が泣いた本当の理由とは?
不思議の町に迷い込んだ千尋。両親が豚に変わり、自身の存在が消えそうなったり、油屋で働かなくてはいけなくなったり、不思議の町での初日は散々な目に遭います。
そしてハクがくれたおにぎりを食べ、大粒の涙を流します。10歳の女の子がこんな状況に陥れば、涙を流すのも無理ないですよね。
でも、千尋が涙を流した本当の理由は別にあったそうです・・。
それはハクがくれたおにぎりに「具」が入っていなかったからというものです。
なんともくだらない・・・失礼しました、おかしな都市伝説ですね。
この都市伝説が本当だとすると、千尋の芯の強さがあらわれている面白いエピソードですね。
最後に
『千と千尋の神隠し』都市伝説22選いかがでしたでしょうか。本作には他にも細かな設定や噂話が数多く存在します。こういった情報を踏まえて改めて観ると新たな発見があって面白いかもしれませんね。
『千と千尋の神隠し』をはじめ、ジブリ作品は現在どの動画配信サービスでも配信されていません。本作『千と千尋の神隠し』を無料で観たい人はTSUTAYA DISCASの宅配レンタルで30日間無料お試しを利用するのがおすすめです。初めての人にも何回も観たという人にもおすすめの映画です。