【バード・ボックス】2018年アメリカ映画。ある日世界はがらりと様相を変えた。突如人々が奇行に走りだしたのだ。見てはいけない「それ」とはなんなのか。
未曽有の異変に襲われ、世界は終焉を迎えようとしていた。人類が生き残る方法はただひとつ、決して「それ」を見ないこと。
目次
映画情報
ネットフリックスオリジナル制作のSFホラー映画。ジョシュ・マラーマン原作の同名小説をサンドラ・ブロックを主演に迎え、映像化したSFパニックホラー。
キャッチコピーは、「目を開けたら、最後」
原題:Bird Box
上映時間:124分
監督:スサンネ・ビア
出演:サンドラ・ブロック(マロリー)、トレヴァンテ・ローズ(トム)、ジョン・マルコヴィッチ(ダグラス)、サラ・ポールソン(ジェシカ)、ローサ・サラザール(ルーシー)ほか
あらすじ1/5「目隠しをしなければ殺される」
【現在】
「一度しか言わないからからよく聞いて。これから旅に出るの。」
女性はまだ幼い2人の子供にきつく言い聞かせました。
「とにかく私の言う通りにしなさい。どんな時も目隠しは外さないで!言うことを聞かなければぶちます!目をあけたら死んじゃうの!わかりましたか!」
そして3人は目隠しをして外に出ました。飼っていたインコも連れて。
異様な空気が漂う外、女性は歩数を数えながらボート乗り場までやってきたのでした。
そしてボートに乗った3人は旅に出ます。目隠しをしたまま‥。
【回想】
場面は変わり、マロリー(サンドラ・ブロック)は妹のジェシカと病院に来ていました。マロリーのお腹には赤ちゃんが身ごもっていたのです。
病院内での検査中、妹にふざけて帰りに酒を飲もうと誘います。それを止める女性医師。女性医師は深いため息をついて言いました。
「養子に出すという選択肢もあるんですよ。」
マロリーと妹は検査が終わると家に帰るため病院内を歩いていました。ふと廊下ですれ違った女性が無表情でガラスに頭をぶつけ始めます。血が噴き出してもやめない女性。
女性以外にも奇行に走る人がちらほら出始めています。病院内はパニックになりました。車で逃げる2人。町にも異変が起きていました。
嘘でしょ。あれ何なの?
そう言うと妹の様子が一変しました。運転していた車を暴走させ、激しく横転したのです。
車から出るマロリー。妹はさっそうと歩いていき、振り向くと車に自ら轢かれにいき死にました。
マロリーはお腹を抱えてしゃがみこみます。そこへマロリーを助けようとした女性がやってきました。しかし彼女も何かをみつめると、「‥母さん」とつぶやいて何かにとりつかれたように燃える車に入っていきました。呆然とするマロリー。
黒人男性のトムが肩を貸し、家に避難します。そこには数人の避難者がいました。さっき死んだ女性の旦那ダグラス(ジョン・マルコヴィッチ)は、君を助けようとして妻は死んだと恨み節を言いました。
部屋にこもる人たちは何が起こったかを話し合います。どうやら外の「それ」を見ると自殺するか自分を傷つけてしまうようでした。太った黒人男性チャーリーは最後の審判だと言いました。
「人類は生きる資格を失って不合格になったんだ。」
【現在】
出発から6時間後の川にて。
旅に出た3人はボートに毛布をかぶせ、休憩していました。川の流れは穏やかでした。レシーバーで助けを求めるマロリー。しかし誰も出ません。何度も試してみるが何も聞こえません。
しばらくすると幻聴がし始めました。「‥マロリー。」
【回想】
部屋で避難中の一同は食料をどう分配するかでもめていました。
誰かが玄関をノックして助けを求めています。女性のようです。ダグラスは開けるべきじゃないと言いました。マロリーは反対するダグラスを銃で脅し、皆で目をふせながらドアを開けて女性を助けたのでした。
女性の名はオリンピア。彼女は妊娠していました。
「私は10月1日予定なの。あなたは?」
マロリーは9月末とだけ答えました。
グレッグの危険な提案
食料が底をつき始めていました。そこにアジア人男性のグレッグが提案しました。
「モニター越しなら外を見ても大丈夫なんじゃないか?」
自分を椅子に縛り付けて、モニター越しに外の様子を見ようと言ったのです。モニター越しになら、「それ」を見ても大丈夫なんじゃないか。
部屋で一人になる男性グレッグ。謎の正体を確かめるため、モニターを凝視します。
「どこにいるんだ。くそやろう。」
モニターが風で揺れる。そこに大きな影が・・。
グレッグの様子が途端におかしくなって暴れだした。一同が駆け付けた頃には時すでに遅し。自分で頭をぶつけて死んでいました。
【現在】
出発から14時間後の川にて目隠ししてボートを漕ぐマロリー。疲れが見え始めてきたとき、どこからか遠くで男の声がしました。
おーい助けがいるか。目隠しをとって大丈夫だ。そうか怖いよね。傷つけたりはしない。基地に案内するよ。
不審に思ったマロリーは銃を構え、子供を隠します。声はだんだんと近づいてきました。
マロリーは銃であたりをところかまわず撃ちます。しかしどこにいるかわかりません。
ふいに腕をつかまれたマロリー。目の前には血走って正気を失った男性がいました。
目隠しを取れと襲いかかる男性。そばにあったナタで切りつけ、なんとか男性を撃退できたのでした。
男性は、おれは真実をみた。お前もみるべきだと言って川に沈んでいきました。
あらすじ2/5「食料をもとめてスーパーに」
【回想】
一同は苦肉の策で、車の窓を塞ぎ、ナビのみで外に出ることにしました。
目隠し状態の車は不気味な何かに当たり、車を揺らされる事態にも遭いながら、到着地のスーパーに無事たどり着きました。
目隠しを外すとそこには食料が大量に残っていたのでした。
スーパーの一角でインコを見つけたマロリーは「あなたたち本当にラッキーね。」と言って連れていくことにしました。
部屋にてレシーバーを使うマロリー。やはり反応はありません。
室内をみると、オリンピアが外にいた男性を勝手に中に入れてしまっていました。
驚く一同はすぐに駆けつけます。
男性の名はゲイリー。いかれた人間に襲われてここまで逃げてきたそうです。
「連中は目隠しをしていなかった。必要なかったんだ。みんなもみるべきだと言っていた。」
ゲイリーは宙をみながらそう言いました。
その言葉に不信感を抱いたダグラスはマロリーから銃を取り上げ、男性を追い出そうとします。しかし老婆シェリルが後ろから花瓶でダグラスを殴り、気絶させました。ダグラスを反省させる必要があると判断した一同は、ダグラスをガレージに閉じ込めることにしたのでした。
オリンピアはその夜、マロリーに「私に何かあったら子供を守って。お願い。」と言いました。
マロリーはしぶしぶ了承すると、オリンピアに小さなぬいぐるみをプレゼントをして落ち着かせました。
マロリーは言いました。いつかあなたの娘にあげてね。
あらすじ3/5「ボートでは危険な場所」
【現在】
出発から38時間後の川にて。
ボートにてぬいぐるみを大事そうに持つ女の子。
ボートは早瀬に着こうとしていました。早瀬とは河川の急流部のことです。そこでは流れが早くなり、ボートは大きく揺れるでしょう。とても危険な場所です。ボートを覆った毛布の中でマロリーは子供たちに早瀬の危険性について説きました。
そして、早瀬に着いたときあなたたち2人のうち、どちらかに外を見てもらう必要があると言いました。
どちらに向かうか、安全な方向へ誘導する役目がいると。自分が見れば、だれも助からなくなります。だから子供2人のうち、どちらかが見なくちゃいけないの。
男の子が言いました。「僕がやる。」さえぎるようにダメよ!とマロリーは怒声を上げました。
ひと呼吸おいてマロリーは、言いました。どちらにやってもらうかは、私が決めるわ‥。マロリーは静かに女の子を見つめていたのでした‥。
子供に愛情がないとって言っていたマロリーも、やはり自分の子だけは可愛いと思ったのかもしれません。
【回想】
部屋にて。
あいかわらずレシーバーには誰も応答しませんでした。音楽を聴いて気をまぎらわせる一同。
するとオリンピアに陣痛が来ました。一方マロリーも時を同じく破水していました。陣痛を隠すマロリーをトムが説得し、2人で2階の部屋に行くことに。
叫び声をあげる2人の妊婦。1階にいたゲイリーはご機嫌な様子でスケッチに怪物の絵を大量に描きだしていました。
赤ん坊が無事生まれました。感動で泣くマロリーたち。
そのころ1階にいたゲイリーが鳥を冷凍庫に入れていました。そして部屋の窓のさえぎりをすべて外しました。1階の異変に気づいたトムが様子を見に来ます。ゲイリーはトムを後ろから殴って気絶させました。
そしてガレージに閉じ込められていたダグラスのところに行き、目の前で笑いながらリモコンを使ってガレージのシャッターを開けたのでした。
一方、オリンピアも無事女の子を誕生させていました。ゲイリーがやってきて、赤ん坊を見てもいいかと言います。
天使のようだ。素晴らしい。ありがとう。と言うとゲイリーは、部屋のカーテンを開け、窓のさえぎりをすべて破きだしました。
マロリーたちは、やめて!といって目を伏せるが、オリンピアは間に合いませんでした。外のそれを見てしまったようです。オリンピアの目の模様が変化して不気味に変わっていきます。
ゲイリーは「見るんだ。その子たちに見せてやれ!」と言いながら、カーテンを開けていきます。
オリンピアは放心状態で赤ん坊を抱えたまま窓に近づいていきます。
「‥そんなに悪くないわ。」オリンピアがつぶやきました。
マロリーは必死に止めようとするがオリンピアは言うことを聞きません。間一髪マロリーが赤ん坊を取り上げた直後、オリンピアはそのまま全力疾走して窓を突き破り、2階から転落死しました。
ゲイリーは次に老婆シェリルを捕まえ、目を開かせました。
シェリルの目の色が不気味に変わっていきます。シェリルは持っていたはさみで自分の首を何度も刺して死亡しました。
ゲイリーはゆっくりとマロリーのほうに向かってきました。そして赤ん坊を取り上げようとしたその時、後ろから目をつぶったダグラスが銃を持ってゲイリーを止めに入りました。目を開けられないダグラスは、声を頼りに銃を撃ちました。ダーン!と銃声が鳴ります。なんとかゲイリーの右胸に当たるも致命傷ではありません。
負傷したゲイリーはタックルしてダグラスごと階段の手すりを破って1階の部屋に落ちました。そしてゲイリーは持っていたはさみでダグラスの胸を刺したのでした。
「残念だ。あれを見せられなかった。」
すぐ後ろにはトムがいました。トムは目を覚まそうとしています。ゲイリーとの間にダグラスの銃がありました。2人はふらふらになりながらも銃を奪い合います。
そしてまた銃声が鳴りました。
2階で赤ん坊たちを抱きかかえながら、毛布にくるまったマロリーは「お願い。来ないで。お願い来ないで。」と言い続けていました。
ふいに男の手がマロリーをつかみます。‥その手はトムの手でした。「もう大丈夫だ。」ふらつきながらもマロリーを安心させるトム。
それから5年後‥
マロリーは目隠しをして、5歳になる2人の子供たちとともに外で訓練をつけていました。
音だけを頼りに歩く練習です。
マロリーたちは目隠しをして、目印のリールが届く範囲で部屋を回り、食料を調達しながら生きていたのでした。
食料調達中、マロリーは数人で車を乗り回している連中の声を聞きます。どうやら目隠しをしていないみたいです。
彼らから隠れながら、家に帰るとそのことをトムに話しました。単独行動はしばらくやめよう。2人は話し合います。いつしか2人の間には愛が生まれていたのでした。
夜、突然レシーバーから応答がありました。
「もしもしこちらはリックだ。誰かいたら応答してくれ。」
急いで応答するトム。
「こちらトムだ。」
「トム。ここには広い敷地があって食料もある。みんなで共同生活をしている。ここは安全だ。子供はいるか?」
トムは返事をして自分の居場所と人数を教えました。マロリーは怪しいと反対しますが、トムは俺に任せてくれと言って子供がいること以外は正直に話しました。
「子供はいない‥。なぜそれを聞く?」トムが質問します。
「その場所からだとこちらに来るには川を下ってくるのが一番の近道だ。下流に沿って向かってくると早瀬にぶつかる。そこは流れが早く危険だ。子供がいたら難しいだろう。何人か命を落とした。方向をしっかりとみる必要がある。」
「それはどういう意味だ。」
「目で確認しなくてはいけないということだ。」
「リック。知っているだろうが我々は目隠しをしている。無理だ。」
「そう言うと思ったが、誰かが見なければいけない。食料はそこからだと2日分は持ってきたほうがいいだろう。」
「その早瀬を過ぎた後はどうする?」
「鳥の声がする方向に向かうと良い。ここでは鳥をたくさん飼っている。しばらくすると門があって‥」レシーバーはここで切れました。
マロリーは強く反対します。頭のおかしな連中だったらどうするの?!
トムは言いました。リックたちは鳥を飼っている。鳥のことを知っているんだ。外の「それ」が鳥を避けていることを!
その晩、トムは子供たちに外の楽しい話を聞かせました。しかしそれを聞いたマロリーは怒ります。「ボーイ!ガール!早く寝なさい!」そして子供たちを寝かせました。
マロリーとトムが口論します。
「子供たちに変な希望を持たせるのはやめて。」
「希望は必要だ!」
「必要なのは生き抜くことよ!」言い争う二人。
「子供達には希望が必要なんだ!そして母親の愛情も!なんで子供たちに名前をつけてあげない?ボーイ、ガールなんてかわいそうだ!」
「全部あの子たちのことを思ってのことよ!何もかも全てね!!」
この世界では、外を見るだけで人が簡単に死んでしまいます。そんな世界では子供たちが生き残る可能性は低いと感じていたのかもしれません。
翌日、マロリーが見つけた小屋に全員で移動して食料を調達しました。ふとイチゴ味のビスケットを見つけ、笑いあう二人。そして子供たちにこれがイチゴの味よと教えた。子供たちは喜び、みんなで静かに笑いあいました。
一台の車がやってきました。目隠しをしていない頭のおかしな連中です。彼らはいきなり銃を撃ち、小屋の窓を破りました。
マロリーたちは裏から逃げることにしました。しかしトムは「俺がおとりになる。もし戻らなかったら、子供たちとボートで川を下ってくれ。」と言いました。嫌だというマロリーをなだめ、トムは先に行かせたのでした。
トムが目隠しをして外に出ると銃撃戦になりました。負傷するトム。覚悟を決め、トムは目隠しを外しました。素早く連中を迎撃しました。
しかし「それ」はトムの目に入ってしまいました。トムの目の色は変わり、支配されそうになるのを必死であらがっています。トムはマロリーを追いかけていた残りの連中をすべて撃って阻止したのち、自分の頭を撃ちました。
マロリーは銃声でトムの死を悟り、翌日子供たちを連れてボートに向かいました。
そして冒頭のシーンに戻るのでした。
あらすじ4/5「ボートは早瀬にぶつかり‥」
【現在】
早瀬が近づいています。もうすぐです。
マロリーは子供たちに言いました。
「誰が外を見るのか決めなくちゃいけない!」
「僕がやるよ!」ボーイが言います。
マロリーはそれを止めます。悩むマロリー。
女の子は、覆った毛布の中でマロリーの顔を見上げ、ゆっくりと言いました。
「‥あたしがやる。」
涙をにじませるマロリー。しばらくしてマロリーは言ったのでした。
「・・誰も見ない。誰も見ない。いいわね。‥ふたりとも目隠しをして。」
ボートが早瀬にぶつかりました。大きく揺れてボートは浸水していきます。目隠しをしながら必死に耐える3人。しかしボートは転覆してしまいました。
「ガール!ボーイ!」マロリーは叫びながら、2人をつかみ、なんとか岩場に着きました。鳥も無事のようです。
3人は鳥の鳴き声を頼りに歩を進めていきます。
森の中、幻聴がします。次第に幻聴は大きくなり、足を踏み外したマロリーは崖から落ちてしまいました。
崖の下で意識を覚ましたマロリーは子供たちを探すが、子供たちは逆にマロリーを探して散り散りになっていました。子供たちにはマロリーの声の幻聴が聞こえているらしく、目隠しを外してという声に戸惑っていました。
マロリーは必死に叫びます。運よく鈴を持っていたボーイを見つけて安堵しました。しかしガールがいませんでした。
そのときガールは幻聴に惑わされていました。目隠しを外して目を開けようとしていたのです。
マロリーは、ガール!と叫ぶも反応がありません。ボーイが言いました。ガールはマロリーのことを怖がっているよ。
マロリーは、今まで厳しくしていたことを大きな声で謝ります。トムの話をさえぎって怒ったことも謝りました。愛していることも伝えました。トムの話の続きには私たちが出てくるのよ。そこでは私たちは一緒にいるの。だからお願いこっちに来て。
泣き崩れるマロリー。するとガールが向こうからやってきました。目隠しは取れていませんでした。
どうやら間一髪のところで目隠しをつけなおしたようです。
二人を抱きしめるマロリー「ありがとう!愛してる愛してる愛してる・・。」
マロリーたちは必死に逃げました。鳥の鳴いてるほうへ向かって逃げたのでした。ふと手の先に家の感触があることに気づきます。マロリーは手探りで扉をたぐりよせ、ノックしました。
危機一髪、扉が開き、中に入れたマロリーたち。家に入ると最初に目を確認されました。そしてそのままリックと呼ばれる人物についていき、部屋に着くとマロリーは目隠しを外して目を開けたのでした。
あらすじ5/5「たどり着いたバードボックス」
そこは盲学校だった。中庭には多くの人と鳥が共存していたのでした。
しばらく中を歩いていると、冒頭のシーンで酒を飲むのを叱ってくれた女医がいました。
女医は駆け寄ると無事で良かったと言いました。
女医は子供たちに目をやると名前を聞ききました。
ガールは答えます。「ガール。あたしはガール。」
ボーイは答えました。「ボーイ。僕はボーイ。」
それを聞いた女医は悲しそうな目をしてマロリーを見つめたのでした。
マロリーはガールに言いました。「よく聞いて。あなたの名前はオリンピア。とっても美しい名前よ。」
そしてマロリーはボーイに言いました。「あなたの名前は、トム。とっても勇敢な名前よ。」
女医は静かに微笑み、3人を優しく迎え入れたのでした。
~観終わった後の感想~
この物語は、一人の女性が葛藤と成長を繰り返しながら、母親になっていく過程を描いているように思えました。時に荒々しく、時に後悔しながら人は親になっていくのだろうとしみじみ思えた映画です。
バードボックスとは、鳥かごと言う意味です。外に出れない人たちがまるで鳥かごの中にいる鳥のようだという意味と、外の「それ」が唯一鳥を避けることから、安住の地=鳥かごというダブルミーニングとなっています。
結局のところ、「それ」の正体は不明でしたが、一説には、宗教や民俗信仰に出てくる悪魔をモチーフにしているとも言われています。
悪魔は人の心につけこむと、正常な判断をさまたげ、心を惑わせます。「それ」とはそういった人類が抱く根源的な未知の恐怖の集合体だったのではないでしょうか。